生ゴミのお話

みなさんは、食べ物を残さずに食べていますか?私はときどき食べ残すことがあります。台所で料理をすると、キャベツの葉や、にんじんの皮などが、食べ残したものをいっしょに「生ゴミ」に変わります。生ゴミはどこに行きますか?外のゴミ箱?そうですね。ではゴミ箱のゴミはどこに行きますか?そうです、清掃車がきて持っていってくれる。では清掃車で持っていったゴミはどうなりますか?ゴミの焼却場へもっていって焼く、皆さんとてもよくしっています。これは「生ゴミ」の処理の典型です。「ゴミを焼いて捨てる」というのは、現在大きな問題になっています。東京湾の埋立地ももういっぱい。さらに燃やすと危険なダイオキシンが出るゴミもあるのです。

最近、食べ物を「生ゴミ」にせずに「宝」や「栄養」にしようじゃないか、という運動がさかんになってきました。また、「食べ物は土からできたものだから土に返そう」というひとも出てきました。彼らは、これまで私たちが知っていた「生ゴミ」の処理の仕方とはまったく違う方法を提案しています。今日は生ゴミのあたらしい処理の話をしてみたいと思います。

野菜くずを土に埋めたらどうなる?

私は小さいころ、金魚やカエルをたくさん飼っていました。ときどき彼らが死ぬことがあると、土を掘ってお墓をつくってあげました。半年ほど経ったあるとき、埋めた金魚がどうなっているのか気になって(悪趣味ですが)お墓を掘り返してみました。ところが金魚はもういなくなっていたのです。みなさんもこのような経験があると思いますが、なぜ金魚はいなくなってしまったのでしょう。不思議ですね。例えば、ときどき道路で車に引かれた虫を見かけます。虫の死骸はひからびたままずっと形が残ったままです。土に埋めるとなくなってしまう死骸が、どうして道路でぺちゃんこになるとのこっているのでしょう。私は土に秘密があるのではないかと思い、虫眼鏡で土を観察してみました。アリや、団子虫、はさみ虫、それからちいさな生き物がいっぱいいました。土の中は虫でいっぱいでした。金魚はこの虫たちが食べてしまったんだと知りました。

ゴミを埋めたら土は増えるの?

ゴミを燃やせば灰が残ります。灰は埋め立て場に埋められます。では生ゴミを土に埋めたら土は増えるのでしょうか?私は土が増えると思っていました。土を増やしたかったのでどんどん生ゴミを入れたのですが、いくら生ゴミを入れても土はぜんぜん増えません。なぜでしょう?調べたところ、土を増やすというのは実は大変なことで、地球の土を1センチふやすには千年もかかるということです。虫たちが野菜くずをどんどん分解するので量はほとんど増えないのです。ですから、生ゴミは燃やすよりも土に埋めたほうが、いい方法なのです。

生ゴミは燃やすのがいいか、埋めるのがいいか

生ゴミはどのように処理したらよいのでしょう。燃やすことと埋めることのメリットデメリットをまとめてみました。

  メリット デメリット
燃やす

手軽

虫が湧かない

埋めなくてもいい

 

ダイオキシンがでる

空気や水を汚染する

燃やすガソリン代など費用がかかる

埋める 空気や水を汚さない

費用がそれほどかからない

ダイオキシンを出さない

虫が湧く

手間がかかる

埋める場所(土)がいる

それぞれのメリットデメリットが対照的であることがわかります。しかし注目してほしいのは、「燃やす」のと「埋める」のデメリットです。「埋める」ことのデメリットは「めんどうくさい」とか「嫌だ、臭い」などですが、「燃やす」のデメリットは生きることにかかわっています。環境ホルモンは世代を超えて広がりますし、空気や水は将来も使いますし、ガソリンはあと40年程しかないといわれています。食べ物はみんな土から作られました。土からできた食べ物を燃やして空に返すのと、埋めて土に返すのはどちらが効率的でしょうか?

私たちにできること

私たちにできることは何でしょうか?生ゴミは毎日出ます。そのままゴミ箱に捨てずに、いちどゴミを目の前において、話し合ってみてはいかがでしょうか?汚くはありません。目の前の生ゴミはほんの少し前まで、私たちの食卓に上っていた食べ物なのですから。

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