なんとも寂しい感じの場所に立っていた。通りに面したホテルは廃屋になっていて、その建物の裏に隠れるようにしてひっそりとしていた。木の根元には無数のお地蔵さんが立っていた。戦争の時に疎開してきた子供たちの無縁仏だという。ちいさな枝が束になって大きな幹になっている。これは『ひこばえ』と呼ばれる現象で、桂の大木によく見られる。

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