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豊頃町にたどり着いたのは夕暮れ時だったので、木の下で野宿をすることにした。木の下で眠れるというのはとても贅沢なことだ。木の鼓動を一晩中感じることができる。 夕食のカレーライスを食べていると、土手から懐中電灯の明かりがやってきた。声から察するに親子連れだ。東京から車で旅行に来たのだが、予定通りにいかずに夕暮れになってしまったという。お互いの顔も見えぬまま、しばらく楽しく話しをした。木というのはときどき不思議な縁を運んでくれる。 翌朝、ハルニレの写真を撮って昨夜見ることができなかった家族へ送った。それ以来ときどき手紙のやり取りをするようになった。ハルニレが取り持つ縁のおかげで、私の世界はまたひろがった。木はそんな不思議な贈り物を私にしてくれる。
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