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その姿からしてなんとも独特の雰囲気を持っている。恐ろしくはないのだが、なんとなくあたりのけはいがおかしいと思っていた。 案の定、その夜森から太鼓の音が聞こえてきた。はじめは無視していたのだが、祭りばやしのような太鼓の音があまりにも軽快だったので、集会所を覗いてみたくなった。真っ暗な森を音のするほうへいつまでも歩きつづけた。その周辺には集落どころか、家一件すらないことに気がつくまで。 おそらく土地の古だぬきだろう。たぬきは音を出すのが上手で、狸が人を化かす話しは各地で聞くことができる。真実は定かではない。ただ私は本当に真夜中の森を太鼓を探してさまよっていたのだ。 巨樹の近くでテントを張って寝ていると、時々おかしな体験をすることがある。
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